今日は8月の夏まつり以来の鈴本です。目当てはトリ橘家文左衛門師匠でした。
このところ先月のちとしゃん亭に始まって、鹿芝居、そして今日は上席の楽日。すっかり文左衛門尽くしになっていました。
秋も深まって開場時刻の17時の上野広小路界隈はすっかり夜の景色です。
そして今日の出演者を見たところずいぶん代演が多い。こうやって見ると最近の芸人さんたちは、あちこちでお座敷がかかったり自分で落語会を催したり、結構忙しいんですね。きっと。
さて開場していつもの右側の列に座りました。ここは下座が見えるので一番楽しめる席です。
一番太鼓、二番太鼓、そして開演。開口一番は柳家緑君さん。柳家花録師匠の弟子と言っていました。
演目は『金明竹』、でも出てきた馬鹿は与太郎ではありません。上方弁の口上もよどみなく語っていました。
ここで疑問が出てきたのは「金明竹」「金名竹」、どっちが本当なのか?
次が代演で春風亭一左さん。演目はまたまた『子ほめ』です。このところ寄席に落語会に、行った先々でこの演目を聞いている気がする。一左さんのは一語一語噛み締めるような子ほめでした。
続いてダーク広和さんの手品。卓球ボールや紐で目を眩ますようなテーブルマジックでした。
続いて柳家三三師匠がちょっぴりトリの文左衛門師匠をコキおろしながら始めたのは『猫の皿』でした。軽く短くまとめていました。まだトリの文左衛門師匠は楽屋入りしてなかったようです。
次が林家正雀師匠で演目が『紙入れ』。これも仲入り前ということで軽目に演じていたように思います。
どうもこのあたりは、どうしても聞く方も流すような聴き方になってしまいます。
そして次がロケット団。先日の鹿芝居に登場して片や与太郎さん(三浦昌朗)、片や与太郎さんの母(倉本剛)という役柄がまだ脳裏に残っていました。でも何だか三浦さんが存在感を増した感じがありました。
次がまた落語に戻り、林家彦いち師匠。新作根多でした。おしゃべりなお母さんが出てくる噺ですが演題がわからない。帰って調べたら『みんな知っている』という演目で、彦いち師匠ご自身の作だそうです。
そして仲入り前がまたまた代演で、本来は入船亭扇辰師匠だったところが桃月庵白酒師匠になっていました。
これも初めて聞く根多で粗忽な殿様と重役の三太夫が出てきます。調べたら『松曳き』という演題でした。
仲入り後のくいつきは柳家小菊さん。俗曲です。いつもは都々逸の反応が悪いと、一言チクリとあるのですが、今日は実によいタイミングで拍手が入り、小菊姐さんも調子が上がってました。
ぶらぶら節など賑やかに民謡を唄って締めてくれました。
次が柳家さん喬師匠で演目は『時そば』。この根多は有名な割りに案外聞くことが少なかったのですが、まさに先代小さんの流れを引く本流の時そばというべきか。蕎麦が食いたくなった!
次がトリ前で漫才ののいる・こいるさん。いつもの脈絡の無い話の展開ですが、どこかほっとさせるものがあります。
そしてトリが橘家文左衛門師匠です。マクラも短めに入っていった噺は『子別れ』でした。先日の鹿芝居であれだけ猛威を振るった強面の師匠が、このような涙を誘う噺をしんみりと聴かせてくれるというのも芸の妙味ですね。
いやあ本当にゆっくりとじっくりと聴かせてくれました。
鷲
注:プログラム表紙絵は「椀久」 浮世絵鳥居派9代目家元 鳥居清光 画
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